怪人デイヴィッド・トーマス率いる唯一無二のアヴァンギャルド・ガレージ・パンク・バンド。トーマス自らベスト・ライヴの一つに数える89年ロンドンでの名演の初音盤化。再結成後の最高にポップなこの時期の新曲を中心に初期のナンバーも含め11曲を収録している。キャプテン・ビーフハート譲りの屈折したグルーヴに、パンク／ニューウェイヴ出自のストレンジなポップ・センスとはじける疾走感。クリス・カトラー在籍末期の強力なツイン・ドラムスが支えるバンドの演奏は円熟の域に達し、トーマスの巨体から発せられる絶叫ヴォーカルは圧倒的。「ユビュ親父」さながらの奇怪でコミカルなステージ・パフォーマンスが目に浮かぶ。無類のかっこよさ。